2021年もコメ輸出は弱いと予想:タイ米輸出業者協会(TREA)

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今年もタイの米輸出は弱いまま(Vietnam+)

  • タイ米輸出業者協会(TREA)のChookiat Ophaswongse名誉会長は、2021年の予想米輸出量はせいぜい650万トンと僅かに回復する程度を予想(2020年は580万トン)
  • 悲観的なコメ輸出見通しの背景には、(1)世界中の消費者が節約傾向にある、(2)輸送コンテナ不足、(3)バーツ高がある。
  • 例えばマレーシアは、タイやベトナムではなく、より安価なインドからの輸入を開始している。

補足

新型コロナウイルスに伴うパンデミックにより、多くの消費者が消費を抑えようとする傾向が出ており、これはタイのコメ輸出にも大きな影響を与えている。記事におけるマレーシアの傾向もそうだが、品種別の輸出価格を見ても分かる。

以下は、タイの2品種についてのコメ輸出価格(ドル/トン)を示している。青は香り米とも呼ばれる高級志向のジャスミン米、オレンジは一般的なタイ米(白米)の価格推移を示している。(2020年11月までは月次価格、12月以降は週次価格)これを見て分かる通り、白米は回復傾向にあり、昨年春頃にあったロックダウンに伴う物流ストップに伴う高騰時の価格にまで上昇してきている。一方で、ジャスミン米は2020年からの減少幅が大きく、11月頃から底打ちしたように見えるが未だ1,000ドルを下回っている。

タイのジャスミン米と白米の輸出価格
出典:TREA

また、11月以降からアジアを中心に輸送コンテナが不足して輸送費が高騰しているという問題がある。ジェトロによれば、これは主に中国から米国向けの輸出が急増しているのに対し、パンデミックによって米国からの輸出が停滞していることにより、多くのコンテナが米国に留まっているのが原因である。タイ荷主協議会(Thai National Shipper’s Council)によれば、タイのコンテナ不足は、中国がロックダウンを緩和し、ベトナムも輸出を拡大した2020年6月以降から申告であり、タイは150万個以上のコンテナが足りていないという。

タイはジャポニカ米の生産・輸出を目指すなど様々な取り組みをしているが、コメ輸出市場が正常化するにはまだまだ時間がかかりそうである。

参考文献

[1]Vietnam+, “Thailand’s rice exports remain gloomy this year”, 20 Jan 2021

[2]Thai Rice Exporters Association, Rice Exports Statistics

[3]ジェトロ「アジア各国、コンテナ不足が輸出を阻害、調達にも影響」2020年12月15日

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