KFCやピザハットなどと親会社(ヤム・ブランズ)を同一とするタコベルは、植物性由来肉で勢いのあるBeyond MeatやImpossible Foodsの製品をメニューに採用する計画は無いことをCNBCに対して話した。
タコスに挟む具はハンバーガーよりも多様なので、タコベルは昔からベジタリアンに優しいチェーン店であると米国では認識されている。
2019年初め頃から、競合他社であるデル・タコなどに続いてタコベルもビーガン向けの 製品のテストを発表したが、最終的にはBeyond Meatのような植物性由来肉ではなく「人それぞれで考え方が異なるベジタリアン」に対するオプションとしてベジタリアンメニューを全国展開することに決めた。
既にタコベルの売上の9%はベジタリアン向けメニューだが、それは挽肉の代わりに豆を使ったビーンブリトー(2番目に人気のメニュー)であり、多くのベジタリアンの趣向には合うが、ビーガンには合わないといったものだ。
実際、ギャラップ社の世論調査によると、米国人の5%は「菜食主義者」と認識しているが、Beyond MeatやImpossible Foodsなども「準菜食主義者」をターゲットとしようとし始めている。
準菜食主義者は「できるだけ植物性の食物で生活しようとする考え方」であり、全く肉食をしないという意味ではない。ミンテルの世論調査では60%の米国人が「肉食を減らす事」自体には関心を持っている。
タコベルもよりボリューム層が狙える「健康志向」をターゲットとしようとするのが戦略であると言える。
5%をターゲットにしないのは、市場がニッチであることもあるが、やはり菜食主義者にとって問題となるのが「味」である。Beyond Meatなどは技術的には成功しているが、やはり「価格」と「大量生産体制」がネックとなっており、今後の成長の為にもターゲットを「広げていく」予定である。
タコベルにとっては、既にベジタリアンメニューで一定の地位を築いているが、今後Beyond Meatなどが勝負を挑んでくる形であり、ますます面白いことになってくるだろう。