バイデン大統領が所得100万ドルを超える富裕層へのキャピタルゲイン税を現行の2倍近くにあたる39.6%に引き上げる提案をするという報道が出て、22日のダウ平均株価は急落した。(終値は前日比321ドル安の33,815ドル。)
参考:ロイター「バイデン氏、キャピタルゲイン増税提案へ 育児財源=関係筋」2021年4月23日
ついでにイエレン財務長官が仮想通貨のキャピタルゲイン税80%を提案しようとしているという「噂」も出ており、ビットコインは更に下落している。
イエレンの噂は兎も角、富裕層へのキャピタルゲイン税増税案は無視で良いと考えている。というのも、提案されたとしても上院で議決されない可能性が高いからだ。
下院を通過したとしても、上院では民主党は共和党の議席数をわずか1議席上回っているだけなので、わずかに民主党議員の反対が出ただけで通らない。民主党の中にも保守的かつ経済界との結びつきが強い議員がいるので、全員が賛成する可能性は低いだろう。そうすると、下院で2/3以上の再可決が必要だが、こちらはもっと絶望的である。
しかし、当面は軟調な相場が続く可能性がある。”Sell in May and go away and don’t come back until St Leger day.”の「5月売り」は米国における確定申告シーズンに生じるアノマリーであるが、今年は新型コロナウイルスを理由に確定申告期間が5月中旬に延期され、それが成立しないという見方が強まってているからだ。アノマリーが成立するとすれば「6月売り」かもしれない。
参考:時事ドットコム「6月まで堅調続く=大和証券理事チーフテクニカルアナリスト木野内栄治氏」2021年03月29日
どちらかと言えば、ビットコインの方がこのまま崩れていく可能性が高いだろう。コインベースの上場による好材料の出尽くし、トルコの決済禁止による急落の上、今度はインドが仮想通貨保有禁止を検討している。これが実現し、米国の規制も進めば総悲観の状態になると考えられる。80%がどうだかは知らない。