ビットコインで買い物した時にかかるかもしれない税金

ビットコインでテスラを買えるようになったということで、実際に自動車をビットコインで購入する人がどれだけ存在するかは不明だが、一投資家としては、今後ますます

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の3つの連動性が高まる(テスラが指数に採用されているため)可能性があるのが懸念だ。

それはさておき、CNBCで興味深い記事が出ていた。仮想通貨(暗号資産)で買い物しようと思ったことがないので考えた事がなかったが、米国でビットコインを保有している間に値上がりし、その状態でビットコインを使って買い物をしたとする。このとき(IRSの立場でビットコインは通貨ではなく資産なので、)ビットコインを販売して換金してから商品を購入したことになり、所得税がかかるというものである。

参考:CNBC, ‘You can now buy a Tesla with bitcoin,’ CEO Elon Musk said. But it could mean a big tax bill, 24 Mar 2021

米国の累進課税は10~37%であり、ビットコインの値上がりによっては自動車のような高価格のものを購入すると多額の所得を得たことになり、高い税率が課される可能性があるという注意喚起である。

但し、米国の場合、1年以上長期保有した上での売却の場合、金額と世帯構成に応じて0%、15%、20%いずれかの長期キャピタルゲイン税がかかる。これは一般に米国において金融商品取引にかかる税制として特徴的なものだ。

では、日本ではどうか。日本においても仮想通貨で買い物をした場合、仮想通貨が値上がりしていると、所得として認識されるという。

国税庁の資料「仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(情報)」(PDF)には、「仮想通貨で商品を購入した場合」という節があり、仮想通貨を使って決済した際に、仮想通貨の価格が取得時よりも上昇していたケースについて説明がある。

仮想通貨で商品を購入した場合
出典:国税庁「仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(情報)」(PDF)

結論として、

保有する仮想通貨で商品を購入した場合、保有する仮想通貨を譲渡したことになりますので、この譲渡に係る所得金額は、その仮想通貨の譲渡価額とその仮想通貨の譲渡原価等との差額となります。

出典:国税庁「仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(情報)」

と書かれており、所得になるという解釈のようだ。これは、「仮想通貨同士を交換した場合」において仮想通貨が値上がりしていると所得として認識されるのと同じとも言及されており、仮想通貨はあくまでも「財」であるため、仮想通貨同士で交換しようと、他の商品を購入しようと、同じ扱いになるという考え方のようだ。

日本からビットコインを使ってテスラを購入した場合、また扱いがどうなるのか何とも言えないが、ケースとして少ないとは言え、今後仮想通貨を使って製品を購入する人も出てくるだろう。この時、もしかしたら所得になっている可能性があるので注意したいところだ。

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金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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