Finance Buzzは2020年8月19日に、18歳以上の米国人1,000人に対し、株式投資についての調査を行って男女差についての傾向を調べ、その結果を公開した。サンプルは性別と年齢に応じて重み付けされている。
次のグラフは、どの期間投資を行っているかについての回答結果であるが、男女差で顕著なのは、「まだ投資を始めていない」(I haven’t started yet)人の割合が、男性が23.51%に対し、女性が33.91%と多いことである。
「なぜ投資を始めていないのか」については、「十分なお金が無い」「投資についてよく知らない」「お金を失うのが怖い」と回答した人が多い。
ここまでは変わった結果は無いが、次の「投資口座を開設するのに最低いくら必要か」という設問については、少額を回答した人よりも、1,000ドル以上の金額を答えた人が多い。但し、これについては顕著な男女差は無い。調査レポートでは、投資信託の最低投資金額が数千ドルに達するケースがあるものの、少額で投資が始められるプラットフォームや、最低投資額が小さい投資信託も多く存在できると指摘されている。
恐らくこれだけ回答に幅があるのは、1ドルから始められる投資口座や金融商品がある一方で、少額だと口座維持手数料がかかる証券口座などもあり、単純にリテラシーだけの問題でもないだろう。
また、投資の目的については、退職に備えた貯蓄という回答が圧倒的に多い。男女差については、強いて言うならば男性の方が回答が多様であることか。
男女差が顕著なのは「投資の仕方をどうやって学んだか」についての回答だ。男性は女性に比べ「インターネット」(Online resources)や「本」(Books)、「高校や大学」(High School or college)という回答が多い一方で、女子は相対的に「配偶者/大切な人」(Spouse/significant other)という回答が多い。フィナンシャル・アドバイザー(Financial advisor)は男女差は小さいのも特徴的だろう。
投資先を決定する上で最も重要な要因については、男女ともに「投資口座の種類(401kなど)」(Types of investment accounts offered)や「低い管理費・経費率」(Low management fees and/or expense ratios)、「アプリの使いやすさ」(Easy-to-use app)だが、相対的に見て男性は「手数料無料取引」(Commision-free trades)も多く、投資において手数料をいかに減らすかは非常に重要なので、この結果は興味深い。
ポートフォリオをどれくらいの頻度で見直すかについては、男性の方が短期間で見直す頻度が高いことが分かる。一般に、女性の方がリスク回避的な傾向がある一方で、相対的な投資パフォーマンスは女性の方が高い。これは一部の男性がハイリスクな投資に手を出してしまうことで平均的なパフォーマンスを損ねていることが背景にあるが、それと同様に男性の方が比較的短期投資を好むケースが多い、その結果ポートフォリオの見直しが短期化すると考えられる。
最後に、2020年末までの米国株式市場のパフォーマンスについての予想は、男性の方が総じて楽観的である。女性の方が総じて控えめで、明確な予想を行っていない人も多いのが特徴である。