ニューヨーク大停電やアメリカ同時多発テロ後の事例を元に、春先には「新型コロナウイルスに伴う外出自粛→出生率上昇」といった思惑が一部で言及されていたが、筆者は検索トレンドなどから中絶が増え、寧ろ出生数は下がるという見通しを立てた。
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まだ答え合わせには早いかもしれないが、報道によれば、1~7月に受理された妊娠届は、前年同期比5.1%減の51万3,850件だった。これは中絶ではなく新たに妊娠した人の届け出であるので、データは全く異なるが、新型コロナウイルスの影響としては同様のものと考えて良いだろう。
NHKニュース「「妊娠届」5月以降 大幅に減少 新型コロナ影響か」2020年10月21日
厚生労働省は「外出自粛などで、妊娠届の提出が遅れている可能性もある」という補足もしているが、確かに3~5月に関して外出自粛で届出が遅れたという可能性はあるが、今回のデータは7月までのものであり、その可能性は低い。
尤も、今後本来春先に発生するはずだった「需要」が8月以降に増加する可能性は否めないし、新型コロナウイルスに対する情報の浸透や治療法の確立などで、過度に警戒する人が減少して中絶などの影響も実際にはそれほど大きくないかもしれない。その答え合わせはもっと先の話になるが、現時点では筆者の見通しの路線通りに進んでいると言って良いだろう。