以前、ベトナム水産物輸出業者協会(VASEP)が2019年下半期はベトナムから中国への水産物輸出が回復する見方であることを報じた。
上記記事では高品質製品の需要増が回復の主因と考えられていた。実際に7月の中国へのエビ輸出は48%増加し、全体では13.4%増加している。
一方で7月のバサ(チャ魚)輸出は17.2%減少する形となり、5ヶ月連続での減少となった。
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この背景に8月に行われた米国商務省の第14回反ダンピング税に関するレビューでエビとバサの扱いが大きく変わったことにある。
エビに関しては第13回レビュー(4月)での予備裁定と一致した結論が出され、最終的に30以上のエビ輸出業者に課された反ダンピング税が廃止されたのに対し、バサに対しては反ダンピング税が継続された。
これにより7月の対米エビ輸出は37%増加している。対してバサ輸出は12.7%減少し、全体では7ヶ月で5.5%減少するに至っている。
3ヶ月間の株価を見ても、バサ輸出が大半を占めるVinh Hoan Corporation(HOSE: VHC)は-7.86%、Cuu Long Fish Joint Stock Company(HOSE: ACL)は-6.76%と軟調な状態が続くが、エビやエビ製品が大半を占めるCamimex Group JSC(HOSE: CMX)は+32.74%と好調である。
同じくエビが大半のSao Ta Foods Joint Stock Company (HOSE: FMC) はパフォーマンスこそ-2.67%であるが、それは8月下旬以降の相場全体の下落トレンドで-2.62%となっているが、それまでは堅調に値上がりしていた。
参考文献[1]:Vietnam net, “Vietnam’s Tra fish companies see stock prices plummet”, 13 Sep 2019
参考文献[3]:Viet Nam News, “Shrimp exports recover in July”, 21 Aug 2019