欧米で新型コロナウイルスの新規感染者数がピークアウトしたということで米国株式市場はイケイケな状態になっている。S&P 500のPERの市場コンセンサスこそ16.8倍だが、業績予想の下方修正を反映させれば19.0倍であり暴落以前の水準である。
異常なレベルの需要ショックが発生しており、まともに原油減産交渉が進まなければシステミックリスクも起こりかねない状況の中、この株価水準は異常に高いと言える。新規感染者数ピークアウト底打ち説を過信していると足元をすくわれるかもしれない。
それはさておき、米国マーケットにおいてコロナ危機が過ぎ去ったと仮定して、これからコロナ危機を迎えるのが緊急事態宣言が発令されたばかりの日本である。要するに「日米のコロナねじれ」が生じるということだが、そうすると相場は今後どうなるだろうか。
米国マーケットが悲観的な状況下では、日銀のインチキもあるが日本株は相対的に強い状態であり、日米株価の相関が低くなっていた。今後、米国が上げ上げになり、逆に日本がネガティブな状況になれば、再度日本株は米国の影響を大きく受ける形になると思われる。
日本は米国ほど割高な状態ではないが「緊急事態宣言による悪材料出尽くし上げ」など節操の無い投資家マーケットの面白さが垣間見える。
おそらく米国株式市場、特にダウ平均株価は「暴落の半値戻し」の水準である25,000~26,000ドルを目指すのだろう。米国がイケイケ状態であれば、日本もその恩恵を受けることはできるだろう。但し、冒頭で紹介した通り、米国株は割高な水準である。この水準に近づけば反動に注意が必要である。
この時、ある意味では「平常時の日米株相関」になると思われる。つまり、「米国株が大きく上がっても日本株はそれほど上がらないが、米国株が大きく下げると日本株も大きく下げる」という状態になろう。