先月公開されたExperianによる2019 Consumer Credit Reviewによると、米国のクレジットスコア(U. S. FICO Score)の平均は過去最高となる703を記録した。通常の信用度がGood(670-739)であり、Good以上は66%となっており、それは2018年と変わっていない。
州別の傾向を見ると南部の方がクレジットスコアが低い傾向にあるが、この辺りは「教育水準・所得の割に生活費が安い」「法人税が安い」といった傾向から多くのスタートアップを集めているテキサスなどとの関連性が垣間見られる。
一方で注意しなければならないのは、米国ではクレジットスコアを上げる事に躍起になっている人が非常に多いことだ。クレジットスコアが単にクレジットカードを作ったりローンを組んだりするだけの話ではなく、結婚や就職にも関係し、他者にマウントを取る道具にもなっているからである。
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Experianのクレジットスコアのデータとして有用なのはS&P/Experian Consumer Credit Default Indexである。長期推移で見ればここ数年間は低い水準に留まっているし、過去5年で見ても季節変動の範疇で安定している。
S&P/Experian Consumer Credit Default Composite Index data by YCharts
S&P/Experian Consumer Credit Default Composite Index data by YCharts
学資ローンやクレジットカード負債など米国人の債務は積み上がっているが、それに応じて所得も増えており、今のところ目立って悪い兆候は出ていない。