タイ・カシコン銀行は2020年もバーツ高を予想

タイのカシコン銀行は、2020年末のバーツの対米ドルレートは29.25バーツ/ドルまで上昇すると予想している。

結果的に2019年を振り返ればバーツ高トレンドが続いた年であった。当サイトで以前バーツを取り上げた時は選挙前の2月16日であり、選挙騒動のゴタゴタによりバーツ高が停滞した時期であった。

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その後、5月頃まではバーツ安トレンドが続いたが、下図の通り5月中旬以降は再びバーツ高トレンドになり、2019年11月28日時点で30.230バーツ/ドルである。

2019年初来USDTHBレート推移
出典:TradingView.com

カシコン銀行の市場調査部コブシディ・シルパチャイ氏は、2020年上半期が30バーツ~29.75バーツを超え、2020年末には29.25バーツ/ドルにまで上昇するという見方を示している。

その理由として

  • 米国大統領選挙が近づくにつれての米中貿易摩擦の激化
  • FRBによる利下げ
  • 英国のEU離脱

が挙げられており、米中貿易戦争やブレグジットにかかるリスクに加え、タイの金融政策に利下げ余地が小さくなってきていることなどから、引き続きバーツ高基調が続くという見方を示している。

バーツ高を後押しするもう一つの理由として経常収支黒字を挙げている。IMFの”World Economic Outlook October 2019″によればタイの対名目GDP比経常収支黒字は5%を超え、来年も黒字が続くと見込まれている。

参考文献:Bangkok Post, “KBank predicts baht climb against dollar”, 28 Nov 2019

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