ベトナムの大都市ハノイやホーチミンは勿論、三番目の都市であるダナンやリゾート地フーコック島など不動産投資が活発な地域がいくつかある。
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しかし、2019年第二四半期は、これら以外の地域での不動産価格の兆候が見られるという。
大都市の周辺に投資が集中している(Vietnam Net)
- 2019年第一四半期のFDIは、18セクターのうち不動産投資が2番目に多く、前年比4.75%増だった。(米朝首脳会談の影響が大きい)
- ハノイやホーチミンの不動産投資プロジェクトが承認待ちであったり、法的規制や不動産価格などにより、 第一四半期はそれほど伸びていない
- 三大都市以外にクアンニン、カンホア、ビントゥアン、ブンタウへの不動産投資に大きな注目が集まり、投資がシフトしつつある
補足
クアンニンは大都市からの郊外というよりかは、国際空港もあり「将来世代において発展する可能性がある都市」であるが、カンホア、ビントゥアン、ブンタウは大都市からの郊外と言える地域である。(ブンタウには空港もある。)
大都市の不動産価格が高騰してくると、投資コストが高くなる上、期待される上昇幅にも限界があるので、周辺地域に投資がシフトしてくるケースが多く見られる。これは、大都市の経済発展に伴い都市圏が拡大し、将来的に大きな道路や鉄道などが敷かれるといった期待に基づくものである。
しかし、不動産バブルが生じている場合、都市圏の拡大スピードよりも早く投資範囲が拡大していく傾向が見られる。(中国などの例を見れば分かるだろう。)
ベトナムの場合、不動産投資の範囲が大都市圏以外に拡がり始めたということであり、これから本格的に過熱していくことが予想される。また、大都市圏の投資プロジェクトに鈍化の兆候もあるようなので、少しずつ警戒感を高めていく必要があろう。
参考文献
Vietnam net, “Investment to focus on localities outside the big cities”, 8 Apr 2019