インポッシブル・フーズが中国への進出を検討

豊富な人口を抱え肉消費量も増加している中国は、植物由来肉を生産するインポッシブル・フーズ(Impossible Foods)にとって絶好のターゲットだ。また、同社の進出は中国政府との思惑が一致する側面もありそうだ。

以下は、インポッシブル・フーズのCEOパトリック・ブラウン氏がロイター通信に語った内容である。

インポッシブル・フーズいわく、中国の植物由来肉市場が最優先である(Reuters)

  • 土地と水不足の問題で肉の生産が困難になっている中国本土での存在感を高めたい
  • パートナー候補と予備協議中で、進出で提携する企業や地方政府を探している
  • 過去10年間の世界の肉消費量成長のうち約半分は中国であり、中国進出は海外における最優先事項
  • 将来的に生産の一部をアジアに移転することを目指しており、既に候補先を検討中

補足

同社は既に香港とマカオで製品を販売しているが、世界最大の食肉市場である中国は魅力的なターゲットであるようだ。

ロイター通信によると、中国政府は畜産による環境問題への対処に苦労しており、以前から管理が不十分な畜産場を移転もしくは閉鎖している。また、中国栄養協会も、国民に肉や乳製品の消費を抑えるように推奨しているが、殆ど効果は出ていない。

今のところライバルであるビヨンド・ミート(Beyond Meat)も中国への進出をしていないが、将来的には進出の可能性があり、また中国には齐善食品(Whole Perfect Food)といった植物由来肉企業が存在し、競合も予想されている。

また、土地や水といった問題だけでなく、豚コレラの問題など食肉生産の大きな問題を抱えている中国においては、インポッシブル・フーズは中国政府の思惑と一致する可能性がある。

参考文献

Reuters, “Impossible Foods says China its top priority meat substitute market”, 9 Sep 2019

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金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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