12月21日にナイジェリア首都アブジャで行われる西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の会合で、単一通貨制度ECOについての議論される予定だが、状況は芳しくない。(画像はECOWAS公式サイトより)
今年の夏にECOWASは、2020年までに域内単一通貨であるECOを導入すると発表していた。当初から15ヶ国のうちナイジェリアの占めるGDP割合が高すぎる問題などの問題が指摘されていたが、旧植民地経済の呪縛からの離脱などナショナリズムとも結びついて一定の支持も得られていた。
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議題を提案したのはナイジェリアのザイナブ・アーメド財務大臣で、調査報告書が各国の大統領に提出され、会議で勧告が検討される。報告書によると、現時点で共通通貨設立における主要な条件を満たしているのはトーゴ共和国のみである。
アーメド大臣は各国にECOWA中央銀行設立に対するコミットメントを促しているが、 こうした状況から2020年中に導入することは難しいと指摘している。
アフリカの共通通貨や通貨統合において財政基準などが大きなハードルとなっており、東アフリカ共同体(EAC)も似た状況にあり難航している。
参考文献:Premium Times, “ECOWAS Presidents to meet on single currency December 21”, 8 Dec 2019