2019年にアメリカで最も流行した変な役職は「達人」

ハイパーメディアクリエイターやらメディアアクティビストといった肩書きは変だと思っていたが、アメリカにはもっと変な肩書きが山ほどある。

米indeedは2015年から、成果が出た求人にしぼって、肩書きや説明に「変な用語」が出てくる求人数の動向を調査している。

以下は、その中で2019年に最も流行した「変な肩書き」トップ5の動向を示している。縦軸の単位は求人100万件当たりの件数である。

2019年に最も流行した「変な役職」の求人数(求人100万件当たり)の推移
出典:indeed blog

これを見ると最もシェアが高い「変な役職」はGuru(グールー)である。Guruとは元はサンスクリット語におけるヒンドゥー教における「指導者」であったり、何らかの分野の「第一人者」といった意味だが、英語圏でもプログラミングでhackerを超えるような優れた人をguruと呼ぶなど「達人」的な意味合いで使われる。実際の職種としては”Client Services Guru”や”Instagram Guru”などといった肩書きが使われている。2年連続でカリフォルニア州で求人が最も多いようだ。

しかし、Guru自体はトップであるものの2019年は15%ほど減少している。前年比で26%も伸びて2位になったのがGenius(天才)である。有名なのはアップルストアで製品のトラブルサポートや技術サポートを行うApple Geniusであり、他にもカーディーラーでサービスを提供するBMW GeniusやToyota Geniusなどもある。南部や南西部で人気があり、オクラホマ州で最もシェアが高かった。

3位はhero(前年比-0.1%)である。社会的には消防士や警察官がこの種の名前で呼ばれやすいが、実際に求人として多いのは”Customer Happiness Hero”や”Sales Delivery Hero”など企業と顧客が接する仕事が多い。シェア1位はハワイ州である。

4位で前年比31%増となったのがRockstarである。これは原義はそのまま「ロックスター」だが、特定の分野で有名だったり尊敬されるような成果を残している人を褒める言葉である。”Sales Rockstar”や”Retail Rockstar”、”Rockstar Recruiter”などなかなか自分では名乗れない名前である。アーカンソー州やユタ州が多い。

じわじわと伸びているのがninjaである。主観では恐らく日本人よりも米国人の方が忍者という言葉を使っているような気がするが、求人においては忍者の意味に合わせ「裏方で高度なスキルを必要とする職種」に使われやすいようだ。”Accounts Receivable Ninja”や”Even Marketing Ninja”がその例である。これはカリフォルニア州で多い。

全体的には昨年までは圧倒的にカリフォルニア州で多かった変な名前の求人が、今年は様々な地域に拡がったという特徴がある。

また、仕事を探す時に誰も忍者や天才などで検索をしないが、仕事の説明文でしっかりと職務内容が説明されていればきちんと検索に引っかかり、なおかつ検索結果で目を引きやすいという効果があるということだ。求人におけるマーケティング戦略の一貫という意味で遊び心のある求人は面白い。

そういう意味では、特定の用語が流行ればまた流行が変わってくるということだろうし、それは上位の傾向を見るだけでもよく分かる。

参考文献:indeed blog, “The Weird and Wacky Job Titles of 2019”, 18 Dec 2019

       

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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