各種報道によると、ビングループ(VinGroup)傘下でベトナム初の自動車メーカーVinFast(ビンファスト)が、オーストラリア・ビクトリア州にあるラングラング試験場(Lang Lang Proving Ground)を購入することをGM(ゼネラル・モーターズ)と合意した。売却額は公表されていない。(以前にホールデンが提示していた価格が2,000万ドルである。)
オーストラリア唯一の自動車メーカーであるホールデン(1931年からGM傘下でありGMホールデンと呼ばれる事も多い)だが、同社のラングラング試験場(敷地面積877ha、試験道路44km)は自動車開発において象徴的な場所であり、オーストラリアの自動車産業のシンボルにもなっている。
1958年からホールデン車のテストに使われていたが、GMは既に2021年に「ホールデン」ブランドを廃止することを発表しており、それまでに段階的にデザインや設計、販売などを停止していく予定である。
今回のビンファストへの売却も、その一環として位置づけられるが、当面はホールデンも同試験上でのテスト走行を継続することになる。また、ビンファストも、ホールデンの元従業員のための試験場公開日や退職者雇用、周囲の環境保護活動など、ホールデンが続けてきた活動を尊重して継続すると発表している。
ビンファストはF1ベトナムグランプリ(コロナにより延期。現在は11月開催の噂)の冠スポンサーになるなど、ベトナム初自動車メーカーとしてのブランド化を目指している。
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同社はメルボルンにも研究開発センターを設立し、フォードとホールデンの元従業員の専門知識を活かしている。同試験上の購入はオーストラリアでの自動車開発を円滑に進められるだけでなく、ブランド化の目的もあるだろう。
参考文献[1]:auto sport web「GM、2021年限りで『ホールデン』ブランドの廃止を電撃決定。VASC新規定に影響か」2020年2月18日
参考文献[2]:VinFast, “VinFast buys testing ground in Australia”, 9 Sep 2020
参考文献[3]:whichcar, “Holden Lang Lang Proving Ground sold”, 9 Sep 2020