シンガポールのチャンギ国際空港は、航空輸送調査会社SkytraxのWorld Airports Awardsの数多ある部門のうち、7年連続で「World’s Best Airport(世界最高の空港)」に選ばれている。この部門は空港利用客による投票で決まるので、ハブ空港としての利便性と利用客の多さは勿論、空港へのアクセスや空港内のレジャーなど顧客満足度が重要だ。
元々、チャンギ空港にはプールや無料の映画館、市内のフリーツアーなど多くの娯楽施設が揃っているが、それに新たに加わったのが先日17日にオープンしたJewel Changi Airport(ジュエル・チャンギ・エアポート)である。
10階建て延床面積135,700平米にわたる複合施設・メガモールであり、ホテルや多数の商業施設、飲食店は勿論、900本以上の熱帯雨林と約6万本の低木がある「資生堂フォレストバレー」といった大規模屋内庭園や、40mにも達する世界最高落差の「屋内滝」HSBC Rain Vortex、木や鏡を利用した巨大迷路などアトラクションも多数存在する。
ハブ空港である以上、世界中からビジネスマンや観光客が空港自体を目的としてやってくる。前者は近くにあるMICE施設が目的地だが、観光客にとっては多くの観光施設が必要となる。シンガポールが目的地であれば外に出れば良いが、単に乗継便を待っているだけであれば、空港内にエンターテイメント施設がある方が良い。
「ジュエル」は、チャンギ空港の4つのターミナルのうち3つに接続しており、総工費13億ドルもかかった巨大プロジェクトだが、世界一の称号に慢心せず、更に利用客の満足度を高めようとする狙いが見える。
参考文献
Skytrax, “World Airports Awards”
CNBC, “We went inside Singapore airport’s new ‘Jewel.’ Here’s what we saw”, 17 Apr 2019
Bangkok Post, “Singapore’s Changi airport opens mega mall”, 17 Apr 2019