先週大きなニュースになったのが、コロプラがスマートフォンゲーム「最果てのバベル」の売上ランキングを操作する目的で、自社費用850万円を使って取引先に課金を依頼したことだ。
参考:コロプラ、取引先にゲーム課金依頼 売上ランキング操作 「最果てのバベル」で従業員
今回はアプリの提供元が売上ランキングを上げる目的で自らの資金を使ったから大事になっているが、ランキングの上昇目的での課金は株式投資家としては特段驚くべきことではない。
よく使われる手口が、上場企業が手がけているがあまり注目されていない新規タイトルのアプリについて、リリース直後に一千万円以上、場合によっては億単位で課金を行うという手口だ。無論、事前に当該銘柄は買い集めておく。
そして1週間経てば、あまり注目されていなかったにも関わらず突然ランキングでトップ10入りするわけである。そうすれば株価はうなぎ登りである。
課金額だけでそれだけ必要なので、かなり資金は必要であり、また対象となる銘柄が小型株であることが多いので、実際に実行できる投資家は少なく、実行可能なケースは少ないが、実際に例として存在する。(それだけの資金が欲しいものだ。)
そういった銘柄は2週目以降は課金が突然激減してランキング圏外というケースが多く、調べればいくつか例が出てくるだろう。
今回の「最果てのバベル」の例から見れば、下図のGame-iの分析によれば会社の知名度から考えれば最初からあまり芳しいという結果では無かったようだ。リリース日が6月12日で、依頼先が課金したのが13日と見られており、その後31位までランキングを上げているが、その後急速に下落している様が見られる。
なお今回のニュースで今後想像される影響は、
- 他の企業もやっているのではないかという疑いの目の広まり
- 銘柄買い集めからの大量課金の手法の有効性の減少
などでリリース直後のアプリランキングの株価への影響が弱まる可能性はあるだろう。