アマゾン・インドの代表Amit Agarwal氏は、18日に行われた会議All-Handsでジェンダーダイバーシティの多様化は同社の最優先課題であると発言した。
先進国においては男女の平等性を高めることは現代において当然の流れとして、企業は対策を取っている。アマゾンも例外ではなく、従業員や役員の男女比などを均等化することを目指している。
その流れで解釈しても良いのだが「最優先課題」というからには、もう少し理由がほしい。これについては2つの理由が考えられる。
- 国によるダブルスタンダードの回避
- アマゾン・インドの従業員数の多さ
まず、国によって扱いを変えることには大きなリスクを伴う。インドではまだまだジェンダーダイバーシティといった意識が低く、男女比を強く意識しなくても問題になりにくいが、その環境に甘んじて、先進国側でその実態が明らかになれば、大きくブランド価値を毀損することになりかねない。
次に、アマゾン・インドの従業員数の多さが重要である。現時点でアマゾンは世界全体で61万人の従業員を抱え、従業員の男女比は58:42、役員の男女比は73:23であり、程度の差はあれ男女差が存在する。
アマゾンは国別の男女比データを公開していないが、アマゾン・インドは6万人もの従業員がいることがわかっている。10%近くが1国の従業員で構成されていることになり、インド法人の男女比を改善することは、全体の男女比を大きく改善することに寄与する。
悪い言い方をすれば「効率的」に男女比を改善することができ、そういった意味ではアマゾン・インドが重視することには納得がいく。
参考文献:The Times of India, “Amazon pushes for gender diversity”, 19 Jun 2019