インドネシアが東ティモールのASEAN加盟を支持

ポルトガルの植民地時代、インドネシアによる占領、独立運動に伴う武力衝突、国連暫定統治を経て独立した東ティモール民主共和国だが、独立後も政情不安定な状態が続いた。近年は政治も安定してきており、ASEAN加盟国として迎えるかという議論が続いている。

その中で最もASEAN加盟を支持しているのがインドネシアで、歴史的な経緯もあるのだろうか、ASEAN加盟の為のサポートや国家への援助など具体的な計画を伴って支持を表明している。

他にもマレーシア、タイ、フィリピンが加盟に賛成しているが、ANTARA NEWSによると、独立後の過程や「将来におけるASEANへの貢献」を理由に反対する人も多いという。

東ティモールは一人当たりGDPで言えばベトナムと同程度の約2,400ドルであり、同じASEAN加盟国でもカンボジアは1,500ドルと低い。

「将来におけるASEANへの貢献」というのはどういうことだろうか。ベトナムと一人当たりGDPが同程度と言っても、ベトナムは広範に産業が発達しており成長も著しい。一方で東ティモールは原油依存の経済であり、一部の人を除いて1日2ドル以下で生活する絶対貧困者が多く、国連でも後発発展途上国に指定されている。

そういう意味ではカンボジアは農業や繊維、観光などが主要産業であり、潜在性はあるということだろうか。将来的にはカンボジアがASEANに高く貢献できる可能性は高いが、東ティモールはそうではないということだろうか。

カンボジアも歴史的な背景を見れば、東ティモールの加盟を容認できないというのは苦しい立場かもしれない。

参考文献:ANTARA NEWS, “Indonesia backs Timor Leste for membership in ASEAN”, 1 Aug 2019

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