3月9日といってもレミオロメンの曲の話ではない。金融危機以後のベア相場が終了した記念日である。
投資家は2つの極めて重要なマーケットイベントに呪縛されているかもしれません(Market Watch)
- 2009年3月9日にS&P 500に投資していれば、配当再投資で350%以上上昇している
- 2000年3月10日はナスダック総合指数のピーク
- ナスダック総合指数はインフレ調整すれば2000年3月時点の価格と現在が同じくらい
- 一方は非常に割高、もう一方は非常に割安で、とにかく評価を大事にすることが重要
- 現時点では2000年の状態に近い(割高)
解説
現在の状態がITバブルの時期に近いかどうかには疑問があるが、ITバブルのピークと世界金融危機のボトムの記念日が1日違いで並んでいるのは非常に象徴的である。
しかし、この記事の著者であるマーク・ハルバート氏が言うように、2009年3月は「割安」で、2000年3月は「割高」だったという後付けで「評価が大事」という教訓を引き出す事には何の意味が無いと思われる。
というのも、2つの時点において割高・割安に気づいていない投資家などいない。(いるならもう少し株式市場について勉強した方が良い。)割高だと思っていても上昇相場には乗るのが合理的で、下落相場では投資を控える(もしくは売る)のが合理的だからだ。
筆者もファンダメンタルズを重視しているが、マーケットがファンダメンタルズで動いていない時に重視したところで意味が無い。
この2つの記念日から学べる教訓はたった一つだ。この記念日を知っている人が多く存在し、また更にMarket Watchで宣伝されたとなれば、意識する投資家が増えるということだ。
その意味で、3月9日と10日には注意が必要であろう。
参考文献
Market Watch, “Your view of stocks may be tied to these two seismic market events”