干ばつなのに作物価格が上がらないインド

今年はインドへのエルニーニョ現象の影響は限定的という事を先日伝えたが、それまでの水不足と少ない降水量の結果、深刻な干ばつに見舞われているという。

マハーラーシュトラ州の農家は同時に干ばつと低価格に見舞われている(The Indian EXPRESS)

  • 干ばつの影響でサトウキビ、タマネギ、ひよこ豆などの作付面積と収穫量が大幅に減少
  • 農業協同組合マーケティング連盟Nafedが価格支援計画PSSの下で政府調達を行った在庫がだぶつき、低価格の状態が続いている
  • 輸出市場ではインドやパキスタンのシェアが高まり、10%の輸出補助金を開始
  • 総選挙に影響を与えるという予測もある

解説

下図は、インド工科大学ガンディーナガル校が作成した気温・土壌予測システムEFLSPについて、土壌水分インデックスSoil Moisture Index)の予測を示したものである。図中の水色の丸は筆者が書き足したもので、これが記事中のマハーラーシュトラ州である。

土壌水分インデックス(Soil Moisture Index)の予想
出典:EFLSP,インド気象局(IMD)

今後少し改善される見込みであるが、-1.6以下の極端な干ばつの地域は今後も依然として多くなるようだ。

そもそも2018年の夏は「過去例に無い水不足」が伝えられていたインドだが、インド気象局によると今年の干ばつで更に地下水資源が不足する事態が予想されている。

要するに、

  • 干ばつ
  • 水不足
  • 作付面積の減少
  • 貧困
  • 補助金
  • 作物価格が上がらない

という悪循環が続いているわけである。今後もこの状態が続けば大統領選挙にも大きな影響を与えかねない一方で、天候と収穫量だけで作物価格を予測できない難しさも見えてくる。

参考文献

The Indian EXPRESS, “Maharashtra farmers face drought and low prices at same time”

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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