逆神についての一考察

逆神と呼ばれる方々が存在する。それは単なる偶然であったり、イナゴを寄せ付けるためのポジショントークであったり、或いは本当に見る目が無かったり様々である。個人投資家レベルでも、有名でないから逆神と呼ばれることはないにせよ、判断の尽く逆をいくという人は存在する。これは、そんな無名の逆神の一考察でありアドバイスである。

合理的に予想を外す人

あなたがしっかりと様々な観点で分析して、その判断に従った挙げ句、高い確率で外してしまうのであれば、それは「合理的に予想を外す」非常に素晴らしい逆神である。ここでの「合理的」は論理に従って行動していることを指す。こうした逆神は、単純に分析の仕方がおかしい(若しくは偶然)という可能性もあるが、それとは別に「利用した判断基準は既に市場に織り込まれている」かもしれない。

個人投資家よりも遥かに多くの情報を持つ投資家がおり、トレードの8割はAIで行われている時代だ。並の情報と分析ではそれを出し抜くことができない。

直感とは相場が逆にいく経験がある人は多いと思われるが、これは直感で思いつくような事は既に先人が散々考慮した後であり、その判断は役立たないからだ。分析した上でそれならば、その分析は直感レベルということだ。

それならいっそ、その分析で出た結論の逆をいけば良い。機械学習の世界でも、二値分類問題で50%以上の有意な確率で外すように学習されることがある。そうしたモデルが得られた時、「しめたもの」と思うのが開発者である。その時、このモデルの出力の逆を新しいデータとして使い、更に別の方法で学習させたモデルとブレンドさせてモデルを改良していくものなのだ。

この方法を個人投資家の分析結果に応用しても良い。但し、単純に逆をいくだけでなく、機械学習の場合と同様に、新たな着眼点や分析方法を見つけて取り入れていくべきである。

逆張りのし過ぎ

予想が尽く外れる人は短期投資家で特に逆張りを好むケースに多い。トレンドが形成されている場合は素直に乗る方が得策である。別に毎度予想が当たる投資家はいないのだから、トレンドには乗っかった方が当たる確率は高い。

その際、事前に決めた「早めの」損切りポイントを厳格に守ることである。損切りをせずにズルズルと待ったり、挙げ句の果てにナンピンするのは悪手である。「ナンピン買いした挙げ句、投げ売りしたら反発した」という声をチラホラ聞くが、まさにこのケースだろう。

基本的ではあるが、この原則を守れない投資家は意外に多く、このケースの逆神であれば基本的なスタンスの変更で大きくリターンは変わるはずである。

不運な人

感覚で投資している人、或いは分析が殆ど意味をなしていない人であれば、その投資は殆ど丁半博打の世界である。丁半博打で尽く外し続けるのはよほど運が悪い人であるが、そういう人は沢山する。

例えば、10回連続で丁半博打を当てればかなりのリターンになるだろう。1/1024の確率というのは非常に低いものなので、自分がそれに該当すると思いたくないのが人の心理である。しかし、世の中の投資家の数を思えば、10回連続で当てる人も10回連続で外す人もかなり多く存在するのである。

これはランダムウォーク仮説における逆正弦定理と呼ばれるものだが、丁半博打で幸運な人がいる一方で、不運な人もいるのだ。そもそも投資の世界で丁半博打は期待的に勧められないが、何度やっても当たらない人は破産するだけなので、そのような賭け方は止めるべきである。

唯一、丁半博打が成立するのは勝つまで掛け金を増やしていくマルチンゲール戦略だが、よほどの資金がなければ破産するだけなので、これも無謀である。(そのような資金があるのであれば、そもそもこのようなハイリスクな運用をする必要も無い。)

逆に、当たり続ける人も存在するが、それが必ずしも実力によるものではないということにも注意だ。運を実力と勘違いしてはいけないし、逆に幸運な人であっても次の賭けも当たる保証はどこにもない。

       

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

HAL の記事一覧 SlofiAのtwitterアカウント@slofia_finance