日本では「実質0円」の終了やMVNOの浸透などによって2年に1回のMNPでスマートフォンを買い換える人が減っていくなど、一つのスマートフォンを長く使用する傾向が増えてきた。
しかし、同じ端末を長く使うという傾向は、一括0円などの仕組みが殆ど見られなかった中国でも出てきており、それがもはや「最新トレンド」だというのが紹介する記事である。
スマホのホットトレンドは?新しいものを買わないこと(CNBC)
- スマホ業界は折りたたみ式や5Gをサポートする高価なスマホの販売を狙う
- 多くのユーザーは、電話、メッセージの送信、インターネット接続が主たるニーズで、ハイエンド端末はオーバースペック
- 多くのスマホが外観も機能も似てきており、進化が止まってきており、限界利益が低下しつつある
- 一方でソーシャルメディアや動画ストリーミングなど5Gへの潜在的なニーズも多い
補足
3Dグラフィックを駆使したゲームなど一部の用途を除けば、多くのユーザーにとって必要なスマートフォンの機能には高いスペックが必要ではなく、上昇するハイエンドスマホの価格に見合っていない。その事により、中国の多くのユーザーにも「長く使う傾向」が生じつつあるという。
ミドルエンドで「そこそこのスペック」があるスマホであれば、多くの用途で快適に使えるが、そこがボリューム層になってくると大きな利益をあげられない。しかし、スマートフォンの成長が鈍化して久しく、差別化できるポイントが無くなってきた。
中韓など「折りたたみ式」などを押す傾向が強いが、そもそもタブレット需要がそれほど多くなく、5Gも話題が先行しているだけで、5G対応スマホがどれほど訴求力があるのかという点が指摘される。
一方で、ソーシャルメディアでも動画化の流れが進み、Netflixなど動画ストリーミングの需要は年々上昇し、5Gによる高速通信の需要は潜在的には多い。5Gのインフラ整備はこれからであり、整備が進んでいけば潜在的な需要を掘り起こせる可能性もある。
参考文献
CNBC, “The hot trend in smartphones? Not buying a new one”, 27 May 2019