色黒の人はZoomの美肌機能をオフにすべき

筆者はプログラミングや機械学習といった技術についての講習案件に携わっている。従来は対面式の講習会を開いていたが、新型コロナウイルスに伴う緊急事態宣言で今年はオンライン教育を行っていた。その過程で、これまでにオンライン教育の生産性リモート会議の生産性などについて考察を書いた。また、学習者の学習プロセスを観察することで、プログラミング学習に必要な本質的なスキルは読解力ではないかという仮説も提示した。

今回はもっと軽い話で、Zoomの外見補正(美肌機能)を使った時に受ける印象と、実際に対面した時の印象の差についてである。緊急事態宣言中はオンライン教育を行っていたが、解除によって(十分な社会的距離や換気などの対策を行った上で)対面で講習会を行っている。それにより、50人以上の男女のサンプルが集まったわけだ。そして、外見補正機能を使っていたかについて聞いた。(外見補正だけについて聞くと変なので、複数の機能の利用について聞いた。)

Zoomの美肌機能をオンにすると、肌の各部分の色が滑らかになるように補正され、シワやシミなどが目立たなくなり、文字通り「美肌」になる。

しかし、筆者の主観だが、「美肌機能を施した画面上の顔」と「実際に対面した時の顔」を比べると、前者の方が「綺麗な顔」であるケースは「元から色白である場合」が圧倒的に多かった。逆に、色黒の人は実際に対面した方が「こんなに綺麗な人(かっこいい人)だったのか」と思うケースが多かった

これはAIの黒人識別問題と本質的に同じ問題があると言えよう。色黒の人の学習データが少なくて精度が低く、そもそもタスクとしても色黒の人の肌の識別が難しいからではないか。肌補正については、似た色をグループ化して、それを平滑化する処理が行われるが、色黒の人の場合、髪の毛とも色が近いし、背景に映る影など似た色が多く現れやすく、十分な美肌効果の恩恵を受けられないのではないかと考えている。

だから、Zoomの美肌機能を盲目的にオンにするのではなく、どのように変化するかを検証してから利用すべきだ。そして傾向としては色黒の人はオフの方が綺麗に見えるケースが多いというのが筆者の観察による仮説である。

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金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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