電子タバコは禁煙の成功率を約2倍に高める

先日、米国の電子タバコ利用者の約60%が禁煙目的であるという研究報告を紹介した。

関連記事:電子タバコ利用者の約60%が禁煙目的

この研究ではユーザーの意識はともかく、禁煙に実際に効果があるかについては触れられていなかった。今回紹介するのは、イングランドで「過去12ヶ月以内に喫煙し、その間に少なくとも1回以上禁煙を試みた16歳以上の18,929人(女性52%)」について、各禁煙ツールの効果を調査したものだ。

参考:Jackson, S., Kotz, D., West, R., and Brown, J. ( 2019) Moderators of real‐world effectiveness of smoking cessation aids: a population study. Addictionhttps://doi.org/10.1111/add.14656.

禁煙ツールには、ニコチン代替療法 (NRT)、市販のNRT、 バレニクリン、ブプロピオン、電子タバコ、カウンセリング、電話支援、自助教材(ウェブサイト)、催眠療法などがある。

タバコの依存度、社会的階級、年齢、性別でコントロールし、禁煙補助ツールを使わなかった場合の禁煙成功率を1とした場合の各ツールの成功率が以下の通りである。なお、方法や成功率については自己申告である。

  • 電子タバコ:1.95
  • バレニクリン:1.82
  • ニコチン代替療法(NRT):45歳以上だと1.58、45歳未満だと1.09
  • ウェブサイト:低い社会的階級だと0.74、低頻度喫煙者だと2.20
  • 他の禁煙補助ツールによる効果は認められず

電子タバコの効果が、何も利用しない場合に比べて約2倍(1.95)禁煙成功率が高いということがみとめられている。これはバレニクリンといった禁煙補助薬よりも効果が高い。

ニコチン代替療法は45歳以上だと効果があり、ウェブサイトなどの自助教材の利用は、元々の喫煙頻度が低い喫煙者には有効であることが分かる。

そして、市販のNRTやカウンセリングといった医療に基づかない支援は統計的に殆ど効果が認められないということが分かる。

バレニクリンは効果が高いが副作用も存在し、また電子タバコの有害性についての報告も増えてきているので、どちらが良いかは判別がつかない。一方で、中途半端に個人で禁煙補助薬を買ってきたり、民間療法に頼るよりかは電子タバコの方が効果的であるように見える。

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

HAL の記事一覧