電子タバコ利用者の約60%が禁煙目的

オックスフォード・アカデミックのオンラインジャーナルNicotine & Tobacco Reaserchに、米国の電子タバコ利用者と禁煙への関心についてのレター論文(速報性を重視して査読システムを簡易にした投稿論文)が掲載された。

米国の電子タバコ利用者1,771人についてのサンプリング調査で、年齢は18-34歳が50.94%、性別は男性が56.65%、人種は白人が82.22%、非ヒスパニックでは89.28%である。また、54.97%は電子タバコと通常の煙草を併用している。

このうち、約2/3に当たる62.38%は電子タバコを辞める事を計画しており、禁煙目的であることが分かっている。辞める予定の期間には差があり、7日以内(7.98%)、1ヶ月以内(7.74%)、6ヶ月以内(12.95%)、1年以内(32.98%)、それ以上(38.35%)である。

「将来的な電子タバコの禁煙への関心」について10段階(10が最も関心が強い)で評価してもらうと、5以上をつけたのが38.37%である。

また、過去に「電子タバコを辞めることを試みたことがあるか」については「辞めようと思ったことがある」が12.81%、「辞めるために減らそうとしたことがある」が13.53%であり、併せて25%以上が既に電子タバコを辞める事を試みたことがある。

1年以内に電子タバコを辞める事を試みた177人について、辞めるために利用した方法については、「家族や友人の支援」が25.02%、「カウンセリングや禁煙補助薬の利用」が10.89%という結果だった。

この研究で重要なのは、電子タバコの安全性や禁煙の効果はさておき、それを「禁煙」の用途として利用している人が多いということだ。FDAによる禁煙補助薬の承認など禁煙補助としての政策的な利用だけでなく、マーケティングにおける利用など短いながら重要な報告であろう。

参考文献: Rachel L Rosen, Marc L Steinberg, Interest in Quitting E-cigarettes Among Adults in the United States, Nicotine & Tobacco Research, , ntz062, https://doi.org/10.1093/ntr/ntz062

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金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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