大量発生したバッタの駆除はどれだけ大変か

アフリカとは別にインドやパキスタンでもバッタが大量発生している。半ば冗談で食べれば良いと指摘したが、相変異を起こしたバッタは移動に特化しているため肉が少なく、粉末状にしなければ食すのには向かず、また何でも食べるという特性上、有害物質を含む場合もあり、現実的には駆除が第一の対策となる。(相変異を起こさない状態で安定して捕獲して食べるのが現実的である。)

インドやパキスタンで発生したバッタも、一部はヒマラヤ山脈を超えたとかで中国に飛来するリスクが警戒されており、6月までに500倍に急増する可能性が指摘されている。ちなみに中国が10万羽のアヒル部隊を派遣すると報道されたが、パキスタン政府はそのような計画を否定しており、以下のようにパキスタンの砂漠はアヒルが活躍できる場所ではない。

駆除専門家チームの一員で中国農業大学の教授であるチャン・ロング氏は、「水が必要なアヒルにとって、パキスタンの砂漠地帯は非常に気温が高く、活躍することができない」と語る。バッタの駆除には化学農薬または生物農薬の使用を勧めているという。

カラパイア「バッタの襲来に備えて、中国が10万羽の「アヒル軍」をパキスタンに派遣するというニュースは本当なのか?(中国)」 2020年02月29日

では、現実的にどのように駆除しているかと言えば、上記引用のように農薬散布が中心だが、バッタの移動の速さで後手後手に回っている。サバクトビバッタは16~19km/hもの速さで飛び、1日に150kmほど移動することができる。そうすると、ある農地に農薬を撒いていても、撒いている間に次の場所にバッタが移動してしまい効果的に駆除ができないという。

無論、農薬を撒いた畑の農作物は全て廃棄となり、至るところに有毒ガスが畑を包み込むことになる。更に言えば、バッタの死骸を集めるだけで大変であり、特に被害が深刻な地域では行政が1kg当たり20ルピー(0.13ドル)の報奨金を出している。

農業はパキスタンのGDPの20%を占めており、今年は既に干ばつによる水不足で大きな影響が出ている。食料価格の高騰により高いインフレ率を記録し、特に過去1年間砂糖は2倍、小麦粉は15%上昇した。

参考文献:Channel NewsAsia, “Pakistan struggles to combat devastating locust plague”, 4 Mar 2020

       

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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