旧約聖書でもバッタを食べるのはOK

2019年末から東アフリカなどで大量発生しているのがバッタである。特に東アフリカでは数十億匹のバッタが大量発生している。過去25年間で最悪規模と言われており、大量発生しているサバクトビバッタは毎日自身の体重と同量だけ食べ、繁殖力も高いので食料安全保障への懸念が指摘されている。放置しておけば500倍に膨れ上がる可能性が指摘されており、ケニアは既に対策費に500万ドルを計上し、国連食糧農業機関(FAO)も半年間で7,000万ドルの駆除計画を示唆している。

CNN「東アフリカにバッタ大襲来、25年間で最悪規模 FAO」2020年1月25日

ZeroHedge, “A Plague Of “Billions” Of Locusts Threatens To Create Horrific End-Times Famine Across Africa”, 29 Jan 2020

バッタの大量発生の原因は世界的な干ばつの原因となっているインド洋ダイポールモード現象であると言われる。オーストラリアの山火事然り、今回のバッタ大量発生然りである。故にバッタ大量発生も東アフリカだけでなく、インドやパキスタンでも同様の問題が起こっている。

The Indian Express, “Locust attack: Amarinder wants PM to raise issue with Pakistan”, 29 Jan 2020

素人目には大量発生するバッタこそ「スーパーフードとして食べれば良い」と思う。今のところ飛行機による薬剤散布などによる駆除などが主たる対処であるが、あれだけまとまって(1群で最大1億匹以上と言われる)行動するのだから、採算が取れる捕獲法も確立できるのではないか。大量発生するバッタを捕獲することは農業生産の安定にも寄与するのでSDGsの観点でも適切である。

また、西洋でも宗教的にもバッタを食べることは容認されている。例えば旧約聖書レビ記では、

また羽があって四つの足で歩くすべての這うものは、あなたがたに忌むべきものである。 ただし、羽があって四つの足で歩くすべての這うもののうち、その足のうえに、跳ね足があり、それで地の上をはねるものは食べることができる。 すなわち、そのうち次のものは食べることができる。移住いなごの類、遍歴いなごの類、大いなごの類、小いなごの類である。

旧約聖書レビ記11章

とある。昆虫の脚は6本だし、バッタではなくイナゴと書いてあるではないかと思うかもしれない。しかし、「四つの足」というのは、聖書解釈としては一般に「4本以上または腹を下にして歩くもの」を意味しており、一般に「昆虫」をするものとして解釈される。また、イナゴと書いてあるものは、特に(上記の1955年版のような)古い翻訳では典型的な誤解とされる。

日本でも「イナゴの大量発生」と言う場合があるが、大量発生して畑などを荒らすのはイナゴではなくトノサマバッタなどバッタである。総称してワタリバッタ(英語ではlocust)と呼ばれるものが起こすのが蝗害であるが、この種の誤解は多い。

それはさておき、旧約聖書で忌避される昆虫食も、バッタに限っては容認されるわけであり、宗教的なハードルも低い。蝗害対策としての安定的なバッタ捕獲法の確立を目指してはどうだろうか。

       

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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