新型コロナウイルスによるプラチナ生産停止が狙い目

自動車触媒としての需要がパラジウムにシフトして価格低下してきたプラチナも、2019年頃から上昇に転じ、2020年2月には1000ドルを超えていた。しかし、新型コロナウイルスを起因とする流動性リスクによりパラジウムもプラチナも投げ売りされており、2020年3月18日時点で667ドルと驚くべき安さである。

プラチナ/ドル価格チャート
出典:Tradingview

そうなると買いたくなってくる人が出てくるのは当然で、ツイッターを見ていてもその種のツイートが少しずつ増えてきているように思える。今ならプラチナETFも安く見えるし、低価格でプラチナの塊をお目にかかる事もできる。しかし、ファンダメンタルズから見ればかなり割安であっても、現在のプラチナ相場はこれとは無関係に売られているので当面は軟調な相場が続くと思われる。

寧ろ狙うべきは突発的に発生するプラチナ価格急騰後の「売り」である。そして突発的な急騰の原因となりやすいのは、プラチナ生産シェアが高い南アフリカから起こりやすい。

2018年時点で世界のプラチナ鉱山生産量185.3トンのうち134.3万トン(72.4%)を占めるのが南アフリカである。リサイクル64.5トンを含めても53.7%を占める。(出典:PLATINUM GROUP METALS SURVEY 2019)

3月6日時点でもかなり市場は悲観ムードであったが、その中で爆発事故の影響でアムプラッツが生産量の見通しを大幅に引き下げた事で、860ドル台だったプラチナ相場は一時907ドル台まで急騰した。

南アフリカでは政情不安や電力不足、ストライキなど様々な要因で定期的に操業停止などが発生する。その度にプラチナ相場が急騰するわけだが、軟調な相場においては寧ろ、その跳ね上がりを狙った方が良いと筆者は考えている。

今後筆者が発生すると予想しているのは新型コロナウイルスによる操業停止だ。2020年3月18日08:00時点で南アフリカでの新型コロナウイルスの感染者数は62人(死者0人)で、人口100万人当たりの感染者数は1.0人と決して感染爆発という状態ではない。(worldometers)

しかし、南半球にある南アフリカではこれから寒い時期を迎えることになる。以下はケープタウンの平均気温と湿度快適性を示したものだが、3月くらいまでが暖かい季節であり、これから7月にかけて涼しくなっていく。米研究機関の報告書では湿度50%摂氏22.22度でウイルスの活動が弱まると報告されており、最高気温の推移を見れば、4月以降にウイルスが活発化しやすい気候になると言える。湿度も高くなく乾燥している。

ケープタウンの平均気温
出典:Weather Spark
ケープタウンの湿度快適性レベル
出典:同上

クワズールー・ナタール大学の研究者Akebe Luther King Abia氏によれば、南アフリカのインフルエンザのピークは4~7月であり、新型コロナウイルスも恐らくこの時期が感染拡大しやすいだろう。

The Conversation, “COVID-19 in Africa: fewer cases so far, and more preparation needed”, 18 March 2020

新型コロナウイルスの感染が拡大していけば、現時点で感染拡大が進む国の状況を見れば操業停止などが起こる可能性があり、無理に操業してもストライキなどが発生する可能性がある。そこが狙い目だろう。

       

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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