AOC現象は現時点では取るに足らない

ギャラップ社が2019年2月12日~28日にかけて民主党の米国大統領選の候補者について支持率調査を行った。その結果、現時点でいかにAOC現象が取るに足らないものかが見えてくるので紹介しよう。

下図は、オバマ政権時の副大統領であったジョー・バイデン氏の支持率と不支持率の推移である。2008年の大統領選挙の頃に支持率が高く、そこから副大統領就任中は低迷していたが、前回2016年の大統領選挙の時も立候補が期待されていたことと一致する。そして、それから調査期間は飛ぶが、社会民主主義的な候補者が多い中、今もバイデン氏は穏健な候補者として人気があることが分かる。

ジョー・バイデン氏の支持率・不支持率の推移

その傾向は支持政党別の調査でもよく分かる。民主党支持者(青色)の間では80%の人がジョー・バイデン氏を好ましくみていることが分かる。共和党支持者の間では3分の1の人が好意的に見ている。何よりも、2016年の大統領選挙でトランプ大統領が有力候補になった時に共和党支持者が好意的に見る意見が明確に増えたのも面白い。

支持政党別ジョー・バイデン氏への好感度

では、AOC現象でおなじみのアレグザンドリア・オカシオ・コルテス氏ら他の候補者の支持率はどうだろうか。以下が民主党の大統領候補者別の好感度である。

米国大統領選の民主党候補者別好感度

と思えば、オカシオ・コルテス氏は項目に無い。つまり、ギャラップ社は調査項目にすら入れなかったということである。比較的よく名前に挙がるカーマラ・ハリス氏やエリザベス・ウォーレン氏、コーリー・ブッカー氏などもNo opinionが目立つ。実際のところよく分かっていないという人が多いというわけだ。

そういう意味で、ジョー・バイデン氏とバーニー・サンダース氏は有名だから表面的には人気があるとも取れる。しかし、この2人で民主党の候補者が絞られているわけではない。ギャラップ社も今後有力な候補者が出てくる可能性を指摘している。

それでも、AOC現象は今のところ取るに足らないものだと言わざるを得ない状況である。

参考文献

GALLUP, “Biden Still Well-Liked by Americans”

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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