オンライン営業マンは可能なのか

新型コロナウイルスによって従来の営業活動が大幅に抑制され、場合によってはビデオ会議を用いた「リモート営業」なども行われている。経済活動が再開されていく方向だが、第二波の心配もあるし、「新しい生活様式」だかで当面は同じようにとはいかないだろう。

「営業」自体が縮小していくのか、或いはオンラインに適応していくのかは分からないが、少なくとも多くの人の話を聞いている限りにおいては、オンラインと対面では営業活動に求められるノウハウは異なる。

通販番組で人気のプレゼンターがいたり、ウェブでテキストや動画を使ってファンを獲得して商品やサービスを買わせたりする人が存在する事を思えば、オンライン営業を可能とするノウハウは確かに存在する。それが何かは知らないが。

少なくとも、勢い任せで買わせようとする営業マンのスキルは、オンラインでは無力のように思える。その勢いは半減どころの話ではないだろうし、客にとってはオンラインだと無理な営業も逃げやすいからだ。

客側の立場としては、オンラインのアポはある意味では対面以上に構えてしまうものだ。通信環境に問題は無いか、ちゃんとカメラやマイクは使えるようになっているか、カメラに余計なものは写っていないかなど、気にするものは意外に多い。

それだけオンラインにおいて客側は慎重かつ冷静なのである。対面は対面で緊張感があるが、その場を営業マンが支配することができれば、売り側のペースに持っていくことはできるが、オンラインだとそこが難しいだろう。そんな中にオンライン営業マンは飛び込んでいくわけだから、同じ事をやっていても通用しないはずだ。

何が難しいかと言えば、「相手の表情を見つつ、自分の顔を相手に見せる」ことだ。ノートPCの内蔵カメラにせよ、外付けウェブカメラにせよ、大抵は画面の「上部」に付いている事が多いはずだ。

営業マンにとっては相手の表情を見つつ、自分をアピールする必要があるはずだ。しかし、相手の表情を画面で見ていると、どうしても目線が下になってしまう。すると相手には下を向いているように見えるのだ。しっかりとカメラを見れば「相手の目を見る」ことができるが、相手の表情は分かりにくい。これを同時にやるのが非常に難しく、変に目を見開いてしまう事も少なくない。

そういう意味で、通販番組も敏腕ユーチューバーも見るものはカメラだけであり、オンライン営業マンは更に難しい視線の扱い方が必要に違いない。

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金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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