貴金属価格(金、銀、プラチナ、パラジウム)についての価格予測について最も権威があると言われるのがロンドン貴金属市場協会(LBMA)によるものだ。これは毎年、30人程度の貴金属アナリストがその年の貴金属価格の高値・安値・平均価格を予測し、その平均値を協会として示すものである。
2020年の調査は以下から参照できる。2020年の予測は、金価格なら平均値が1558.8ドル、高値平均が1688.6ドル、安値平均が1443.9ドルである。
LBMA, ” 2020 PRECIOUS METALS FORECAST SURVEY”(PDF注意)
ここでは各年の予測よりも、その予測がどの程度当たっているかに着目したい。以下は金価格について、各年の予想レンジ(予測平均値が赤点)と実績(実際の年平均価格)を示したものである。2020年については2020年2月7日終値1570ドルで描画している。
基本的にはレンジ内に入っており、平均価格からも大きく外れていない。予想レンジから外れているのは2013年と2016年であり、これはいずれも金価格の転換点である。また、予想レンジは狭まっており、全体的に精度は高まっているように思われる。
現在価格は2020年の予測平均値と近い水準であり、金価格を大きく下げるようなイベントが無ければ、今の価格というのは非常に参考になるラインであると言える。