インドネシア経済金融開発研究所(Indef)の調査によると、インドネシアの首都移転に伴う経済効果は、
- GDP上昇効果:0.02%
- 総投資額上昇効果:0.17%
- 貿易額上昇効果:0.02%
- 雇用率:0.05%
と非常に限定的である予測を示している。
この理由としてIndefのエコノミストであるリサール・タウフィクラマン氏は、新首都がビジネスではなく行政関連であることを理由に挙げている。
インドネシアの首都移転において最大150万人の公務員を東カリマンタン島に移住させる計画であるが、行政の中心地の移動をしても効果が小さいのは投資に役立つ『全世界史』(7):首都移転の効果でも示したように、オーストラリアが独立時に首都を決定する際、経済の中心地であるシドニーとメルボルンで揉めた挙げ句、両者の間に存在するキャンベラを選んだことで、公務員は多いもののビジネスはあまり発達しなかった。
インドネシアの場合も、行政の移動が中心であれば波及効果が小さいというIndefの予測は、オーストラリアの事例と整合的である。