2018年8月に中国でアフリカ豚コレラが報告され、2019年2月にはベトナムで報告された。日本は日本で豚コレラ(アフリカ豚コレラとは別)が問題になっており、関連記事の通り他人事ではない。
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少しずつ拡大しており、北へはモンゴル、南へはミャンマー、ラオス、カンボジアなどでも報告されている。
拡大に警戒するのがタイで、タイはメコン川を挟んでミャンマー、ラオス、カンボジアの3国と国境が隣接している。
ロイター通信によるとタイ政府は、アフリカ豚コレラの監視地域として24州を指定し、隣国からアフリカ豚コレラが入ってこないように厳格な動物管理を命じている。豚やイノシシ、その死体や精液、繁殖用の胚などの移動を制限し、違反者には2年以内の懲役および40,000バーツ(1306ドル)の罰金に処される。
9月初めにはミャンマー国境から20kmほどのチェンライ北部で2頭の豚の不審死が見つかった。予防的措置として200頭の豚が殺処分され、その後の検査で2頭の豚はアフリカ豚コレラに感染していないことが分かったが、それだけ緊張感があることが伺える。
以下は、OIE(国際獣疫事務局)の情報を農林水産省がまとめた地図を、筆者が再構成したものである。赤色が2005年以降にアフリカ豚コレラの発生がOIEに報告された国を示している。青色がタイである。
アフリカは勿論のこと、ユーラシア大陸でも拡大していることが分かる。豚コレラは豚やイノシシの接触による感染だけでなく、ダニなども媒介するので輸入過程で広がるケースも多い。日本は感染を防止するためにアフリカやロシアなどからの豚の輸入を禁止しているが、川を隔てて隣接するタイにとっては極めて警戒すべき状況であることが分かる。
なお、上記のアフリカ豚コレラの発生状況も含め、海外における海外アフリカ豚コレラについての情報は以下の農林水産省のウェブページが詳しい。
参考文献:Reuters, “Thailand puts 24 provinces on alert in swine fever watch”, 27 Sep 2019