ZeroHedgeで、Lending Treeによる学資ローン残高が多い地域についての調査研究が紹介されていた。
下図はZeroHedgeからの転載(元データはLending Tree)で、学資ローン残高の「中央値」が高い地域が赤色、低い地域が緑色でプロットされている。
ワシントンDCを除けば、東海岸に近い内陸部に集中している。ZeroHedgeでは、
- 広範囲脱工業化地域
- 高いオピオイド依存率
- 弱い経済活動
という特徴が挙げられている。
これを下記の州別1人当たりGDPと比較するとより特徴が顕著である。明らかにGDPが低い地域に偏っている。上で書かれている脱工業化地域は、製造業の外部委託などで寂れてしまった地域を指している。
一方で、西部でも内陸部は1人当たりGDPが低い地域があるが、学資ローン残高は多くなく、寧ろ緑色のプロットが目立つくらいである。
この傾向の違いは何であろうか。東部側の田舎は、地元に雇用を吸収する能力が無くなってしまったので、学生は無理してでも良い大学に行って良い就職先を探さなければならないという影響は強いだろう。
あとは、この地域は「大都市信仰」は強く、東海岸の名門大学に進みたいという傾向は強いと思われる。米国でも州立大学に行くのであれば、そこまで多額の学資ローンは必要でないので、中西部はその傾向が強いと思われる。
参考文献:ZeroHedge, “Here Are The Cities With The Most Student Debt”, 27 Jul 2019