ノースカロライナ大学チャペルヒル校のMeghan Rebuli博士がMD Magazineのコンファレンスで発表したところによれば、電子タバコの蒸気がインフルエンザウイルスへの感染に影響を与え、しかもその効果が男性と女性で異なるという。
特に女性の電子タバコユーザーはインフルエンザに感染しやすくなるかもしれない(MD Magazine)
- 非喫煙者、通常の喫煙者、電子タバコ利用者での免疫反応についての予備調査
- 女性の電子タバコ利用者の免疫反応は「抑制的」
- 男性の電子タバコ利用者の免疫反応は「上方制御と下方制御の混合」
- 通常の喫煙者は非喫煙者と比較してインフルエンザ感染阻害ペプチドの増加
- 非喫煙者と比較して、電子タバコ利用者の免疫系機能に必要な特定遺伝子・タンパク質が抑制的(通常の喫煙者では抑制されない)
補足
全47人の被験者に対し、免疫反応を見るために弱毒生インフルエンザワクチン(LAIV)を接種し、接種前後に上皮内層液(ELF)、鼻腔洗浄液(NLF)、鼻腔内生検、血液を採取した予備調査による結果である。
被験者の数もそうだが、まだこの実験は予備調査であり、研究の初期段階なので結論を急ぐのは危険だが、性別によって電子タバコによる免疫反応に違いがある可能性があるというのが本質的な主張だ。
誤解を恐れずに言えば、電子タバコ利用者であれば、男性よりも女性の方がインフルエンザの影響を受けやすいということである。
これまで心疾患など直接的な疾病への影響についての報告が多かったが、免疫系という間接的な影響についての報告という意味で非常に興味深いだろう。
参考文献
MD Magazine, “E-cigarettes May Leave Users Susceptible to Flu, Especially Women”, 20 May 2019