SBAによると、米国では64%しか自社サイトを開設していない。これは2005年時点で既に企業のウェブサイト開設率が85.6%に達している日本と比べれば非常に低い数値だ。 米国も大企業を入れればもう少し比率が上昇すると思われるが、3,000万社のうち大部分は小企業であるため、恐らく米国の方がウェブサイト保有率は低い。
米国の方がIT化が進み、また国の成り立ちから見ても新しい企業が多いにも関わらず、この結果は意外に思える。いや、或いは企業の新陳代謝が高いからこそウェブサイトを持たない企業が多いのかもしれない。いずれにしても事実として自社サイトを持たない企業は意外に多い。
Blue Coronaによる調査では、顧客の80%は企業・店舗を訪れる前にオンラインで会社を調査する事が分かっており、今の時代においてウェブサイトを持たない企業はそれだけ不利に働く。
では、開設していない企業はインターネットとは無縁な昔ながらの企業ばかりなのかと言えばそうでもなく、未開設の企業の58%はウェブサイトを開設したいと考えているという。
デジタルマーケティングとウェブデザインを手がけるWeb.comのデジタルマーケティング部門の副代表Beth Thouin氏によると、自社サイトを持っていない理由として、
- 掲載内容を何にすべきか
- 見出しをどうすべきか
- どのようなレイアウトとデザインにすべきか
- どうやって行動を訴求するか
- モバイルフレンドリーにする方法
- いかにしてウェブサイトに来てもらうか
が大部分だという。
主に「ウェブサイトの内容」と「ウェブデザインの問題」に分けられる。そのうち後者はハードルが高く、金銭面でWordpressなどの洗練されたコンテンツ管理システムを使うことができないと主張している。
筆者からすれば、今の時代Wordpressを利用したサイト制作なら非常に安価で外注することができる。Thouin氏は更にハードルの低いWixやJimboなどを紹介しているが、Wordpressがこれらに比べて格段にハードルが高いわけではない。
筆者が思うに、これは金銭の問題ではなく「リテラシー」の問題だと考える。ITバブル期などに見られたべらぼうに高いサイト制作の印象をそのまま引きずっている人が多いのだと思われる。
筆者も昔はWordpressを利用したウェブデザインに何度か携わったことがあるが、大抵はクライアントに「そんな金額で可能なのか」と驚かれる。無論、やる事も少ないので、こちらも十分にペイするわけであるが。
内容については売りたいものが明確であれば載せることは自ずと決まってくるし、よほど企業名がありふれているという事でなければ、検索結果は自然に上位になってくるものである。