Inc.社とStartup Genome社は、米国の大都市を7つの指標で事業をするのに最適な50都市を数値化したInc. Surge Cities Scoresを発表している。
以前、紹介したComparismの「米国でスタートアップを起ち上げるのに最適な州」は専らスタートアップを対象としたスコアのため、指標に生活費なども含まれていた。
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しかし、こちらは新規事業だけでなく既存企業の移転も考慮した指標である。それ故に対象となる7観点は、いずれも2017-2018年時点で、
- アントレプレナーの割合:起業家に占める新規事業者の割合(2017-2018年)
- 高成長企業密度:人口10万人当たりの売上高が200万ドル以上かつ3年平均成長率が20%以上の企業の割合(2017-2018)
- 人口成長率:2016年7月-2017年7月
- 企業設立数増加率:2017Q1-2018Q1
- 賃金増加率:2017Q1-2018Q1
- 雇用数増加率:2017-Q1-2018Q1
- アーリーステージ資金調達:2017年10月から2018年10月における人口10万人当たりのアーリーステージ資金調達案件の数
となっており、新規事業の環境だけでなく人口や賃金の成長なども重視されている。
以下は上位5都市を翻訳したものである。
全体のスコアを見る限り、高成長企業密度とアーリーステージ資金調達が重視されているようだ。
Comparismの州別のランキングと同様に、こちらも1位にテキサス州から州都オースティンが選ばれた。シリコンバレーの4倍の速度でスタートアップが成長しており、Google、Facebook、Amazon、Dropboxなどの巨大IT企業も主要拠点の一つを置いている。レポートでは元々は音楽の街として「怠け者を引き寄せる」と書かれているが、今はアートの分野に負けないくらいビジネスも生まれていることが指摘されている。
2位のユタ州ソルトレイクシティは、大陸横断鉄道と大陸横断ハイウェイが通る「西の交差点」として知られており、アドビやEA、オラクルなどが拠点を構え、シリコンスロープという愛称がある。
3位のノースカロライナ州ローリーは、嘗てのタバコと繊維の街がソフトウェアのハブになっている。Prndoなど急成長するスタートアップの拠点となっており、ノースカロライナ州立大学のコンピュータサイエンスプログラム、学士人口が全米4番目など高い教育レベルであることも背景となっている。
4位のテネシー州ナッシュビルはカントリーミュージックのメッカとして米国最大の音楽人口を誇るが、それだけでなく国内最大の医療機関10のうち6つがナッシュビルに拠点を持ち、800を超えるヘルスケア企業が存在することが特徴である。
5位のカリフォルニア州サンフランシスコは言わずもながシリコンバレーで有名だが、異常に高い家賃や生活費などを理由に新興企業の拠点は50マイルほど北に移動していることが特徴である。今でもアーリーステージの資金調達のしやすさという意味ではサンフランシスコは突出している。