ベトナム企業の70%はCPTPPのことをよく知らない

VCCI(ベトナム商工会議所)のウェブメディアVietnam Business Forumによると、VCCIとMOIT(産業貿易省)の共催で、“Vietnam’s opportunities and challenges in CPTPP implementation amid U.S.-China trade war escalation”(米中貿易戦争激化の中でのCPTPP実施の中でのベトナムの機会と課題)というフォーラムが8月30日、ハノイで行われた。

このフォーラムでは、貿易と投資を効果的に行うために開催され、具体的には環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP:以前はTPPと呼ばれていたもの)やEU・ベトナム自由貿易協定(EVFTA) など自由貿易協定の活用可能性が議論された。

国・地方の政府関係者や各国大使館、外国貿易促進機関、国内外の企業が集まった。

フォーラムで浮き彫りになったのは、企業のCPTPPについての認知度の低さである。

Vietnam+によると、VCCIの調査では、インタビューを受けたベトナム企業8,600社の70%以上が「CPTPPについてよく知らない」と回答している。

またVCCIのWTO・統合センター所長のNguyen Thi Thu Trang氏によると、84%の企業は、CPTPPに基づくコミットメントとそれを実現する方法に関する情報が欠如している。認知度の低さは、CPTPP発効以来、企業から産業貿易省に送られた関連する質問書が12に留まることからも分かる。

更に州機関・省庁・各セクター・地方自治体も十分に活動していないと指摘されており、CPTPP活用のための行動計画の発行が予定よりも半年遅れている実態が示された。

日本では大きく注目されたCPTPP(TPP)であるが、ベトナムでは認知度・注目度が低く、政府の情報提供不足なども相まって、効果が大きく出てくるのはまだまだ先のように思える。

参考文献[1]:Vietnam Business Forum, “Tapping CPTPP amid U.S.-China Trade War Escalation”, 30 Aug 2019

参考文献[2]:Vietnam+, “Businesses have yet to pay due attention to CPTPP: forum”, 31 Aug 2019

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