コーヒー価格に底打ちの兆し

要約

  • ここ数年下落傾向にあったコーヒー価格が2019年1月は上昇傾向を示した
  • アラビカ種はブラジルレアルの上昇、ベトナムは生産量の減少が価格上昇に大きく寄与
  • 米中貿易交渉で合意がなされればこのまま上昇に転じる可能性

国際コーヒー機関(International Coffee Organization; ICO)が2019年1月分のCoffee Market Reportを公表した。コーヒー価格はここ数年低下傾向にあったが、2019年1月は前月比で0.9%上昇した。

品種別に見ても、アラビカ種(Colombian, Brazilian, Other)・ロブスタ種(Robustas)ともに上昇し、ボラティリティもアラビカ種は有意に下落の傾向があった。

コーヒー種別日次価格指数(¢/ポンド)
出典:ICO(2019)

国別に12月の輸出量を見ると、前年に比べホンジュラスとインドが減少する一方で、ブラジルとベトナムは大きく増加している。

国別12月のコーヒー輸出量(単位:百万バッグ)
出典:同上

ホンジュラスは労働力不足による収穫の遅れ、インドは洪水と地滑りにより生産量が減り、単純に不作から輸出減少に繋がっている。

ブラジルは米中貿易交渉に伴うブラジルレアルの上昇が輸出価格の上昇に寄与したと見られ、アラビカ種の価格上昇に大きく寄与している。

ベトナムはロブスタ種の生産が中心であるが、ここ数年のコーヒー価格の低下傾向と大雨により農家が肥料や灌漑の利用を減らして生産量が落ち込み、ロブスタ種の価格上昇に繋がったことが輸出増加に繋がったと見られている。

レポートの内容を補足すると、世界的にはアラビカ種が多く飲まれている国のほうが多いが、独特の香ばしさがあるロブスタ種はレギュラーコーヒーとしてはあまり飲まれなくても、菓子やインスタントコーヒーの香り付けなどには非常によく使われるので、ベトナムの生産価格の上昇がそのまま輸出の増大に繋がったと考えられる。

ここ1~2年の価格変化は特に米中貿易戦争の影響が強いようである。関税による輸出減少の見込みから多くのコモディティ価格を引き下げており、コーヒーもその傾向が強かった。最近は米中貿易交渉に楽観的な見込みが出てきたので、このままポジティブな合意がなされれば価格は底打ちしたと言えるのではなかろうか。

参考文献

ICO(2019), Monthly Coffee Market Report – January 2019

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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