ベトナム農業省が胡椒農場開発の方向性を検討

以前、胡椒は作付から収穫できるようになるまでに3-4年かかる故、リーマンショック回復期の新興国成長に伴う胡椒需要の伸びに応じ、東南アジアで天然ゴムやキャッサバから胡椒農家に転作する動きが増え、現在は供給過剰によって価格が軟調な状態であることを見た。

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価格が下がってくれば、また胡椒農家を辞める動きが増え、長期的に価格が回復する可能性があるという見方を示したが、どうやらベトナム政府が胡椒農場開発にテコ入れを行うようである。

農業省がコショウ栽培開発の方向性を検討(Vietnam+)

  • ベトナムの胡椒プランテーションは、胡椒栽培ブームによって2001-2017年の間に35,300haから151,900haに増加
  • 2020年までに50,000haを確保するという農業省の目標を大幅に超過
  • 同省は、世界的な需要に基づき2030年までに100,000~120,000haに調整する目標
  • 中央高地と南東部地域の胡椒農場を中心に70,000haの植え替えが必要
  • 総農業面積の削減に加え、持続可能な集約的農業、優れた農業慣行に従うことを要請
  • 生産、加工、原産地追跡において企業と農家をつなげる連携モデルの構築も要請

補足

15万haを10-12万haに調整するのに、7万haも植え替えを行うのは、ブームの時に胡椒栽培に適さない土地にも多くの胡椒農場が作られたからである。

ベトナム政府は2030年に向けての持続可能な開発目標の実現の一貫として胡椒農場開発方針の検討を行っている。持続的に胡椒栽培が難しい農園を別の作物に変えるだけでなく、栽培に向いた地域に胡椒農場を植え替える必要があるので、こうした計算になっている。

農業生産工程管理(GAP)など作物の原産地追跡などについては世界的に重要視されており、ブロックチェーンを活用した仕組みなど様々な応用が考えられそうだ。

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参考文献

Vietnam+, “Agricultural ministry examines pepper farming development orientation”, 23 Aug 2019

       

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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