ドイツの非営利組織Germanwatchは、極端な気象関連損失事象の影響により、国や地域がどの程度影響を受けているかを分析し、第15版となるグローバル気候リスク指数2020(Global Climate Risk Index 2020)を発表した。
極端な気象関連事象と言って今年の台風15号などを思い浮かべる人が多いだろうが、利用されたデータは1999~2018年までであり、グローバル気候リスク指数2020は2018年のデータに基づく。
気候リスク指数(CRI) の計算式は簡単で、
$$CRI Score=\frac{死者数順位}{6}+\frac{人口当たり死者数順位}{3}+\frac{損失額順位}{6}+\frac{GDP当たり損失順位}{3}$$と低いほど悪いという計算式になっており、2018年において日本は5.50とダントツで悪かった。死者数(2位)、人口当たり死者数(2位)、損失額(3位)、GDP当たり損失(12)位と全体的に高い指標である。
2018年の日本は3つの気象関連事象が計算に含められており、
- 7月6~8日の平成30年7月豪雨(別名西日本豪雨)
- 7~8月の熱波
- 9月の平成30年台風第21号
と、全国的な猛暑と西日本を中心とした風水害と記憶に新しい。
フィリピンは2018年最大の台風マンクット(台風22号)、ドイツは記録的な熱波による影響である。
世間的には単年の1位が注目されるが、データとしては1999-2018年で計算された気候リスク指数の方がより意味のある。以下がそれを色ごとに分けられたものであるが、東南アジア、南アジア、欧州、中米などが非常に気候リスクが高い地域であることが分かる。こうして見れば日本は比較的軽度だが、これは地震が入ってからと思われる。
また、20年間の順位が左下に掲載されている。 見づらいので国名と気候リスク指数だけを示しておく。
- プエルトリコ:6.67
- ミャンマー:10.33
- ハイチ:13.83
- フィリピン:17.67
- パキスタン:28.83
- ベトナム:29.83
- バングラデシュ:30.00
- ネパール:31.50
- ドミニカ:32.33
参考文献:Germanwatch, “Global Climate Risk Index 2020”