ギャラップ社が「アメリカンドリームは実現可能なものと認識しているか」ということについて世論調査を行っている。設問自体は非常に曖昧だが、性別・党派性・景気との関係を見るとなかなか結果が面白い。
まず性別では、男性の方が「実現可能」と見ている割合が高い。
- 18~49歳だと男性は73%、女性は58%が「実現可能」と考えている
- 50歳以上だと男性は74%、女性は73%が「実現可能」と考えている
男性では年代を問わずあまり変わらないが、女性だと若年層の方が「実現可能」と考えている割合が少ないのが特徴だ。
党派性はもっと面白く、2009年と2019年の調査を比較すると、
- 共和党支持者は、2009年には81%が「実現可能」と回答し、2019年には88%が「実現可能」と回答
- 民主党支持者は、2009年には68%が「実現可能」と回答し、2019年には60%が「実現可能」と回答
となっている。共和党支持者の方が全体的にアメリカンドリームを信じる人が多いのは予想通りだが、民主党支持者は不景気の2009年の時よりも割合が下がっているのは興味深い。どちらの支持者も先鋭化しているということだろうか。
景気と言えば時系列での調査結果が公表されている。以下は、「今の若者は親世代よりも暮らし向きが良くなるか」という設問についての調査結果の推移である。
黄緑色が「強く思う」と「ある程度思う」という回答の割合の推移、緑色が「強くそう思わない」と「あまりそう思わない」の回答の割合である。
明確に景気と相関しており今はピークに達しているように思え、まさしく「景気後退はいつか」と言われている現在の状況と合致しているだろう。2008年頃と同じくらいの割合というのも非常に興味深い。
参考文献:Gallup, “Most Americans See American Dream as Achievable”, 17 Jul 2019