サウジアラビアの付加価値税(VAT)15%が施行

5月10日に発表されたサウジアラビアの付加価値税引き上げが7月1日から施行されている。2018年に導入された5%から3倍になった形である。

保健省が指定する医療機器や医薬品、公的医療、パスポートや運転免許証の更新、純度99%以上のグローバル取引が可能な金・銀・プラチナなど幾つかの例外を除き、ほとんどの財・サービスに付加価値税15%が適用される。但し、移行期間の措置として、契約時期が5月11日以後か、商品・サービス供給が7月1日以後かなどで5%と15%のどちらが適用されるかについて扱いが異なる。

付加価値税引き上げ最大の理由は原油価格低迷などに伴う財政赤字是正である。2020年第1四半期は341億リヤル(約9,800億円)の財政赤字を記録している。ジェトロによると、2019年の税収は前年比35%増(404億リヤル増)の1,554億リヤルとなっており、2018年に導入された付加価値税の効果を考えれば、大幅な税収増が期待されている。

但し、アルジャダーン財務大臣は、付加価値税引き上げの恩恵を多く得られるのは2021年以降だとしており、新型コロナウイルスにより消費が落ち込んでいる現行においては大きな効果が無いとしている。

参考文献[1]:ジェトロ「7月からVATを15%に引き上げなど、痛みを伴う財政政策発表」2020年5月12日

参考文献[2]:AL ARABIYA, “Saudi Arabia VAT tax triples to 15 pct on July 1: All you need to know amid COVID-19”, 29 Jun 2020

参考文献[3]:AL ARABIYA, “Saudi Arabia raises VAT to 15 pct amid coronavirus: How does it apply to consumers?”, 30 Jun 2020

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