8日、マレーシアのマハティール首相は、物品サービス税(GST)を再導入する理由は無いという考えを明らかにした。
マハティール首相は、先週3日に「国民が望むのであれば物品サービス税(GST)の再導入を検討する」と前向きな考え方を述べたばかりである。
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GSTは納税システムが複雑かつ逆進的であるとして昨年の総選挙で廃止が主要マニフェストとなり、SST(売上税・サービス税)に切り替えられた。
マレーシア経済研究所が低率(3%)でのGST復活を提言したことを受けてマハティール首相は再導入の準備が可能かの確認をとっていたが、カラバカン・マムン・スライマン議員は一部は提案に同意するものの大多数はGST復活に反対しているという報告したことが今回の発言につながった。
GSTの再導入が難しい理由として他にもいくつか挙げられている。
- 税制の頻繁な変更は経済に悪影響を及ぼし、投資家の信頼を低下させる
- GSTでは、企業が負担する仮払消費税控除の払戻金が納税者の負担となった
- SSTは改善の余地があるが大きな問題に直面しておらず脱税もすくない
もっとも、SSTでの税収はGSTの時よりも47億ドルも少ないことについては、システムの問題ではなく導入時の免除品目が理由であり、今後数年間でGSTの税収を上回ると自信を見せた。
参考文献:Channel NewsAsia, “No reason for Malaysia to reintroduce GST: PM Mahathir”, 8 Oct 2019