4月11日から行われるインドの総選挙がマーケットに大きな影響を与えるという見方もあれば、その影響は小さいとする見方まで分かれる。ここで紹介するのは、クレディ・スイスのアジア太平洋地域の株式戦略責任者ニールカント・ミシュラ氏の見方である。
インドの選挙結果はマーケットに大きな影響を与えないでしょう:クレディ・スイス
- 過去6回の選挙ではSESSEXとNifty 50は世論調査の影響を殆ど受けなかった
- 選挙結果は一時的にマーケットにボラティリティを生むかもしれないが、大きな影響は与えない
- CVoterの世論調査では543議席中、モディ首相ら与党の国民民主連盟が半数近くの264議席、野党連合が141議席を獲得する見込み
- 雇用問題、モディ首相が進める保護主義化と物品・サービス税の影響などの懸念はある
- 過去の世論調査の精度は高くなく、インド人民党もインド国民会議のいずれもが政権を取れない「第三勢力」の出現が最大のリスク
- 銀行セクターが魅力的な投資環境
補足
現状では与党有利の世論調査が出ており、市場も楽観的であり、前回紹介したゴールドマン・サックスの見方と同様に、銀行セクターを中心に良い投資環境であるという見方がなされている。
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一方で世論調査の精度は高くなく、前回紹介したような野党連合の選挙協力など、政権交替のリスクも存在し、大方の予想を裏切るような事態になれば、マーケットが荒れる可能性がある。
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上記の記事を掲載した時よりも与党有利の見方が増えており、現時点では筆者も与党有利と予想している。特に、貧困問題は実態として選挙結果にあまり影響を与えず、カーストが影響しやすく、右派有利な傾向になってきているからだ。
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それでも選挙前後は注意しなければならない。なんせ選挙期間が長く、その間はボラティリティが高まると予想されるからだ。今後も定期的に重要な情報は掲載していく。
参考文献
CNBC, “India’s elections outcome will not have a major impact on its markets: Credit Suisse”
The Economic Times, “2019 Lok Sabha polls: What CVoter poll predicts for Modi’s alliance”