近年のIT技術の進歩、特にAIの進化が今後の金融業界にもたらす影響は非常に大きい。
最近でも国内の大手銀行が相次いで「フィンテック」を駆使した業務削減案を発表した。
主に支店で行われる膨大な事務作業を減らすことが目的であり、支店および人員の削減によるコストダウンを狙っている。
事務作業の削減だけではなく、海外でもゴールドマンサックスがアルゴリズムトレードの導入によりトレーダーを大幅削減したような事例もあり、トレーディング部門にも大いに活用されている。
このように金融業界のITとの親和性は非常に高い。
一方でハイテク企業の金融業界進出を警戒する声も上がっている。
ブルームバーグの記事では、ロイヤル・バンク・オブ・カナダのCEOはFANG企業(フェイスブック・アマゾン・ネットフリックス・グーグルの総称)が脅威となっていると発言したことを伝えている。
金融業界では大手ハイテク企業が顧客の決済やローン提供、預金受け入れへの対応を拡大して銀行を押しのけようとしているとの不安がますます高まっている。
FANG企業の脅威を実感、銀行業に進出で-RBCのマッケイCEO
ブルームバーグ 2019年3月13日記事より
例えば、今後の展開としては保険の販売への参入も考えられる。
何年か前より「会社に限らず様々な会社の保険を選べること」を売りにした企業が出てきているが、今後は「年代・年収・家族構成・居住地域」等の情報から最も最適な保険を提案するようなAIが出てくるであろうと思われる。
これまでは販売する人の趣向等にどうしても左右されていたため、極力主観を排除した提案が可能だ。
金融業界では今後ますます属人的な部分は排除され、合理性を追求する形になると予想される。
ITの進化が果たして金融業界にどのような影響を与えていくのか、今後も注目したい。
参考文献
FANG企業の脅威を実感、銀行業に進出で-RBCのマッケイCEO
ブルームバーグ 2019年3月13日記事より