サウジアラビア政府の気持ちになる

筆者は昔から原油トレードを得意とする。株式投資もそれなりにリターンをあげてきたが、ここ10年(新型コロナウイルス以前まで)の上昇相場の中においては、どんなに下手でも儲かる相場であり、別に自分の実力だとは思わない。

なぜ原油トレードを好み、得意とするかと言えば「サウジアラビア政府の気持ちになれば良い」からだ。原油価格は経済のファンダメンタルズだけでなくロシア政府や米国のシェールオイル企業など様々な要因の影響を受けるが、株式市場よりかはよほど関係する当事者は少ない。

経済学者ケインズは株式投資を美人投票に例えた。逆に言えば、多くの有象無象の投資家がどう思うかを考えなければならないのだ。100人の投資家の考えを予想するより、サウジアラビア政府の考えを予想する方がよほど簡単である。

その当事者、特に価格に大きな影響を与えるサウジアラビアがどのような状況であり、何を望んでいるかを考えることが原油投資において最も重要なのだ。

別にこれは原油に限らない。ある市場に大きな影響を与えるプレイヤーの行動を予想できるのであれば、ゴールドマンサックスが何を言っているかをよく分析しても良いし、ウォーレン・バフェットが何を重視しているかを考えても良いし、cisがどんなイナゴを引きつけようとしているかを考えても良い。

しかし、それらプライヤーよりも原油市場におけるサウジアラビアの影響力は大きい。なんせ、その気になれば原油価格を暴落させることができるのだ。普通の企業であれば独禁法に引っかかるような事も、サウジアラビアなら平気でできる場合がある。その動きは得てしてダイナミックであり、他のプレイヤーの動きより予想しやすい。

       

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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