eコマースと配達の同一視

Small Business TrendsがOracle Retailが行った消費者調査Global Customer Experience Trends 2019を紹介していた。

調査レポート自体はオラクルの公式サイトからメールアドレスなどを登録すればダウンロードできる。日本を含む16ヶ国15,837人の顧客と210の小売業者に対する大規模な調査であり、配達、顧客との関係、eコマースサイトの顧客体験(UX)などについて興味深い情報が多く掲載されている。

参考(調査のダウンロードページ):Oracle, “Setting the Bar: Global Customer Experience Trends 2019”

参考:Small Business Trends, “13% of Shoppers Never Come Back If Their Delivery Isn’t On Time”, 21 OCt 2019

中でも面白いのがSmall Business Trendsも取り上げている「顧客の13%は配達が時間通りで無ければ、二度とそのeコマースサイトで買わない」という調査結果だ。

これは、amazon(アマゾン)などの大手eコマースサイトの話ではなく、個々の企業が運営しているようなeコマースサイトであっても、amazonなどと同等の配達の迅速性が求められるという意味である。

とは言っても、アマゾンで購入したからと言って、実際に配達するのは運送業者である。アマゾンも将来的には自社でドローンなどを駆使して運送を行おうとしているが、現時点では大小を問わず運送業者に委託しているのが現状だ。

小さなeコマースサイトや企業の直販サイトから購入したからと言って、運送業者を使うことには変わりがない。注文からの動きの早さに差はあるかもしれないが、実際に発送してから「時間通りに着くかは運送業者次第」である。

それにも関わらず、直販サイトなどで購入した場合、配送が遅れただけで「二度とそのサイトを使わない」という顧客が13%もいるというのが驚きである。

これは顧客体験という観点から見れば、「配達」までを含めて「eコマースの利用」であり、アマゾンなどを介さずに自社運営する場合などは、配達オプションも含めて配達が予定通りに行われるかというのが重要というのが、レポートで指摘されている。

アマゾンで購入して配達が遅れても「二度とアマゾンを使わない」とはならないのが顧客のワガママである(そうすると顧客自身が困る)が、ある直販サイトが使えなくてもそれほど影響は大きくないので、eコマースサイトと配達を同一視する顧客というのが一定数存在することになる。

よくよく考えれば、アマゾンでも楽天でもそうした傾向を持つレビューを見かけることがある。

  • 商品は素晴らしいですが配達が遅れたので星4つ
  • 梱包しているダンボールの角が凹んでいたので減点

どちらも運送上の問題であるが、減点されているケースを見ることをは珍しくないだろう。アマゾンマーケットプレイスなど各業者が発送しているケースでは、より独自のeコマースサイトと似た側面を持つようになり、この種のレビューを多く見かけることになる。

この種のレビューは店舗目線では理不尽と思うとともに、顧客目線でも商品を選ぶ時のノイズになるので好きではないが、こうした顧客が必ず存在するという前提でのアプローチが重要になるだろう。

       

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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