ナイジェリアでの黄熱病の流行と各国の警戒

ナイジェリア疾病管理センター(NCDC)によると、2019年8月29日にバウチ州アルカレリで症例が確認されて以来、黄熱病が流行している。9月6日時点で243人が黄熱病発症の疑いがあり、34人が死亡している。ナイジェリア全体では2019年中に2,000人が発症している可能性があると世界保健機関(WHO)に報告されている。

ナイジェリアでは2004年から黄熱病に対する予防接種が実施されているが、同地域での予防接種率は低く、集団免疫が低い状況である。ナイジェリアでは2017年以降広域で連続的に黄熱病が発生しており、対策に追われている。(European Commision)

NCDCは9月5日に災害対策本部を設置し、医療専門家による公衆衛生支援、WHOやユニセフからの支援の受け入れ、アルカレリの50万人の住民および隣接地域での予防接種キャンペーンを実施している。

黄熱病は蚊が媒介し、人から人への感染は無く、黄熱ワクチン注射を一度受ければ一生免疫ができる。一方で、特定の治療法は無く、ナイジェリアでは致死率が31%のも達しており、黄熱病が発症しやすい地域はアフリカや南米で、同地域へ渡航する場合は多くの国で予防接種が推奨される。予防接種証明書が無いと入国できない国もある。

黄熱病の発生地域や渡航時の注意、予防接種については厚生労働省検疫所の情報を参照されたい。

参考:厚生労働省検疫所「黄熱病について」

今回は経済成長著しく、ビジネスなどでの各国からの人の行き来が多いナイジェリアで流行していることで、各国は警戒を強めている。米国疾病対策予防センター(CDC)は、予防接種を受けていない人がナイジェリアへの渡航を避けるべきとし、生後9ヶ月以上の全ての渡航者がワクチン接種を受けるように推奨している。英国やカナダなども同様の警告をしている。

また、マレーシアはナイジェリアをはじめアフリカの29ヶ国および南米13ヶ国の高リスク黄熱病地域からの入国者に対し、予防接種を受けたかの確認の徹底や、入国時に最大6日間隔離するなどといった対応を発表している。

参考文献[1]:NCDC, “NCDC and NPHCDA Continue to Respond to Yellow Fever Outbreak of in Bauchi State”, 19 Sep 2019

参考文献[2]:VAX BEFORE TRAVEL, “Yellow Fever Fatality Rate Reaches 31% in Africa”, 30 Sep 2019

参考文献[3]:European Commission, “ECHO DAILY FLASH”, 1 Oct 2019

参考文献[4]:The Star Online, “Malaysia on alert over yellow fever outbreak in Nigeria”, 1 Oct 2019

       

この記事の著者 HAL について

金融・マーケティング分野の機械学習システム開発や導入支援が専門。SlofiAでは主に海外情勢に関する記事、金融工学や機械学習に関する記事を担当。

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